JIVROSGについて

ごあいさつ

本グループは、画像誘導下の経皮的手技により少ない侵襲で治療を行うインターベンショナル・ラジオロジー(IVR: Interventional radiology、画像下治療)のがん治療への応用を、臨床試験を通じて科学的に評価するとともに、より優れた治療法を開発、標準化することを目的に活動している多施設共同臨床試験組織です。2002年に発足し(founder: 荒井保明)、これまでに約30の臨床試験を行いその結果を公表するとともに、その結果を、新しいIVRの本邦への導入や臨床現場への普及に役立ててきました。IVRはがん治療の緩和も含むさまざま場面で活用できますが、本邦の医療現場での普及は未だ十分とはいえません。今後も、より多くのがん患者さんに適切にIVRが活用される社会を目指して、臨床試験によるエビデンス構築のための活動を精力的に進めてゆく所存です。

グループ代表者:曽根美雪(国立がん研究センター中央病院 放射線診断科 IVRセンター長)

インターベンショナル・ラジオロジー(IVR、画像下治療)

インターベンショナル・ラジオロジー (interventional radiology)は、IVR (アイブイアール)とも呼ばれ、日本語では「画像下治療」と表記されます。X線や超音波などの画像診断装置を用いて体内の状況を把握しながら、体表面の小さな穴から体内に挿入した特殊な器具を用いて検査や治療を行うものです。このため、体を切ることにより病巣を直接見て治療する外科的治療に比べ、体への負担(侵襲)が少ないという大きな利点があります。1980年頃から始まった比較的新しい領域ですが、すでに全世界に広まり、さまざまな医療の領域で欠かせない治療法になっています。

臨床試験

より良い治療を目指して考案される新しい治療法も、それが患者さんにとって本当に有用であるかを判断するためには、実際の臨床の場でこの治療を行い、その効果や安全性、有害性などをさまざまな観点から科学的に検討し評価することが必要です。このように研究的な目的で行われる医療行為は臨床試験と呼ばれ、すでに確立した標準的治療を行う一般診療とは区別されています。

沿革

2002年
平成14年度厚生労働省がん研究助成金「がん治療におけるIVRの適応と手技の標準化に関する研究」班を母体に日本腫瘍IVR研究グループ (JIVROSG)発足。代表 荒井保明。
プロトコール委員会、効果・安全性評価委員会設置。
2003年
ホームページ開設。
UMINインターネット医学研究センターにてオンライン症例登録を開始。
2006年
がん研究開発費「がん治療におけるIVRの技術向上と標準化に関する研究」(稲葉吉隆)
医薬品医療機器総合機構 (PMDA)との共同研究 (JIVROSG/PMDA-CVP)実施。
2007年
韓国IVR Study Groupとの国際共同臨床試験 (JIVROSG-0604)実施。
2008年
厚生労働科学研究費補助金「緩和ケアにおけるIVRの確立についての研究」(荒井保明)
2010年
がん研究開発費「がん治療におけるIVRの技術向上と標準化に関する研究」(竹内義人)
2011年
がん研究開発費「有効なIVR手技の開発と標準化のための多施設共同研究」(荒井保明)
2014年
厚生労働科学研究費補助金/AMED「最新のIVRによる症状緩和についての研究」(荒井保明)
がん研究開発費「IVRの開発と標準化のための基盤研究」(曽根美雪)
2016年
COI委員会設置。
2018年
代表 曽根美雪に交代。
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